HOST

イケメン風でイケメンでないホストくん

時計を着けた男性

私のお気に入りのホストくんはけっしてイケメンではありません。でも、甘える仕草がなんとも可愛いのです。営業トークなんだろうなとわかっていても、可愛いものは可愛いのです。私の仕事は保険のセールスレディです。嫌な客の愚痴を聞くのが仕事と言ってもいいかもしれません。同僚と飲みに行って、さんざん愚痴や悪口を言いまくって、その帰り道に冗談半分で入ったホストクラブが私のホストくんとの出会いです。
自分のことをモテルとか、イケメンだと言い張る口元がなんとも愛らしいなと思っていたらいつの間にか好きになっていました。仕事なんだろうけれど、私の横でちゃらい雰囲気で話すと胸がキュンとなってしまいます。ときどき、財布の中身を気にしながらお酒を注文するのが恥ずかしいくて、気づかれないようにふるまっています。いっそのこと、金融機関で借金でもすれば、もっと通えるのにとも思うけれど、そんなことしてほしくないとホストくんが言ってくれるからまだ実行していません。
ときどき、ホストくんが他の客の席に座っているのを見ると、嫉妬するけれど、仕事なんだから仕方がないんだと思うように頑張っています。貯金の残高が気になります。あと何回分、ホストくんのお店に行けるのだろうか。只今、片恋真っ最中の惨めなおばさんかな、それともこんな気持ちになれるのだから幸せな人生のひと時とでも言おうか。